これもめちゃくちゃシリアスでヘビーパンチ。
妻に愛されず憎まれる寂しさから次々と愛人に走る男。
そこで生まれた子供達も深い悩みを抱えることになる。
人物描写がピカイチ!
色狂いの話と言うと薄っぺらい印象があるかもしれないけど、この話は一味違う。
演出は上手いけど、ちょっと過剰気味で臭いところがある。
アーサーの子供に対する愛情は押し付けがましくて信じられない。
でも、そんなことを言ったら、この話は始まらなくて盛り上がらないのでよし。
愛人の子ライナスのコンプレックスも分かる。
彼と来たらまた11歳だと言うのに、プレゼントされた馬の頭を銃でぶち抜き、
父の愛情を欲しがる他の愛人の子を石で殴りつけようとするまでの、キレた荒れっぷり。
でも、結局家族との関わりの中で悪人になりきれない自分に気付く…。
そして、さらに重みを増していく第二部。
この家に雇われた健全な優等生美人家庭教師レイチェルのお話。
一見その裁量で話はいい方向に行くのかと思われたが…。
レイチェルって実際いい人だけど、
優等生だと思われたいって気持ちが奥底に強くある気がする。
そこをウィリアムに思いっきり落とされるからね。あれはきっついわ。
それでも、認識を大らかに変えていきながら、
彼女は輝きを失わないと言う話だったらいいな。
ウィルは思い知ればいいんだよ。でなきゃ救いがなさすぎる。
最後はああなってしまうけど、人生悪いこともあればいいこともあると信じたい。
一筋縄には行かないだろうけど。
人は惨めな状態にあっても感情を捨てることはできないんだ。
そして、こんな狂った家庭の温もりでも、孤独で純粋なフィオナには羨ましいんだよね…。
ドラゴンたちをリーダーとする闇の軍勢と人間たちの戦いを描く壮大なファンタジー。
決して形のいい描写ばかりではない気がするけど、
わくわくするような展開でぐいぐい引き込まれる。
特に人物描写に重点を置いていて、これがなかなか深みがあり面白い。
常識的で柔軟なリーダー気質を持ち、仲間たちをまとめる主人公のタニスは、
エルフと人間の間に生まれた私生児で、エルフの里で惨めな幼少期を過ごし、
そのことにコンプレックスを感じている鬱々とした性格。
優等生なのかと思いきや、敵の仲間になってしまった意中の女性、
気が強く冷酷な野心家の女戦士キティアラの誘惑に落ちてしまう。
キティアラ悪の魅力でかっこいいんだよね~。
そして、故郷での幼馴染で、タニスに幼稚な恋心を抱く、
世間知らずで甘ったれのエルフの乙女ローラナ。
タニスはローラナを相手にしないが、それに傷ついたローラナは努力を誓い、
終いには人間たちを導く高潔で逞しいリーダーへと、奇跡のように成長してしまう。成長しすぎ。w
ローラナ萌える~。大人に成長した時、昔恋した男性を同じ目では見られなかった。
タニスから離れていくローラナを彼は寂しく感じた。
そして、最後に誠実な態度で敵に捕らわれたローラナを助ける。
彼女のタニスへの感情は幼い憧れから母性的な愛情へと変わる。
奢りから罰を受け、病弱な体になった魔術師のレイストリンは、
陰気で刺々しい皮肉屋で、苛めたら呪いで百倍返してきそうな感じ。w
嫌なキャラだけど、鋭い頭脳を持ち皆を導くことも多々ある。
彼とは対照的に健康的な単純馬鹿で元気で大食い、
食べることばっかり考えてる頑強な戦士キャラモン。
この2人は双子の兄弟。キャラモンはレイストリンに異常なまでの愛情を見せ、
献身的に彼の体の面倒を看ているが、
レイストリンは気質の違う愚かなキャラモンを嫌い邪険に扱う。
キャラモン自身も自分の単純さにコンプレックスを感じて、時折惨めな感情に浸る。
そのレイストリンとよく衝突する、品行方正で生真面目な騎士スターム。
騎士とは名ばかりの国の騎士たちの中で、一人誇り高い騎士道を追求する。
好奇心旺盛でふざけるのが大好きで、常に面白い何かを追求し、
時々周りを引っ掻き回している小人のタッスル。
時々呪文をド忘れてしまう、危険なマイペースボケ老人魔術師のフィズバン。
本人も忘れてそうな気がするが、実は重要人物ですごい人。
タッスルとフィズバンが1番好き。w
口をついて出るのは愚痴と我侭ばかりの頑固老人のドワーフのフリントは、
年長者としてのプライドに捕らわれるが、老いの中で悲しみを抱える…。
そして、流麗な物腰の大人のレディのゴールドムーンは、
美女だが、平原人の族長の娘として生まれ責任を背負う苦労人。
そして、物静かな恋人のリヴァーウィンドは誠実に彼女を見守る。
無口で頑なで、他種族である仲間たちと一歩距離を置いた感じだが、
その関わりから友情を育む。等等。
この人間模様は、ああ、何か頷けるなあって感じするよ。
オタ漫画~。こういうの好きなんだよね。w
尖っていて重く、雰囲気と躍動感がある。
タッカーの話とかは特にヘビーパンチで衝撃的だった。
鬱展開ばかりの中で、苦悩しながらも前向きに生きようとする兄弟の姿は清々しい。
作者はハードボイルド嗜好で媚びが嫌いな人に見える。
粋がって活躍する主人公はドチビ、二枚目美形は無能。w
渋いオヤジキャラ多数。
ヒロインたちはクールで強い女で、女らしさの表現はさり気ない。
個人的にラストさんとか堪らないわ。(人気はなかったようだけど。)
なんかそういうものを好む気持ちはすごく分かる気がするんだ。
これでキャラ贔屓とかがなければね~。
等価交換の理屈は正しいと思うけど、
実際は世の中不平等で理不尽がことがいろいろあるよね。
だからこその等価交換なのかな?これも最近読んでないや。
一族に伝わる体に流れる特殊な血が原因で、
狂気に捕らわれるような重い奇病に発病してしまい、
社会から己を隔絶してひっそり生きる姉弟の物語。
これはかなりヘビーパンチだった。
「普通の生活もできない、未来に希望も持てない、
それでも生きているなんて滑稽よ!」と吐き捨てる、
現実的でクールで尖ったヒロインのキャラクターに圧倒される。
過剰に生真面目な性格が彼女をそうさせている気がする。
そして、弟への共感と同情から女らしい思いやりを見せたりもする魅惑の人。
唯一の生きる理由であった死んだ父と入れ替わるように再会した弟を、
あなたが私の生きる理由になってくれたらいいのに、と愛してしまう…。
忌まわしい病の秘密を守ることでしか生きられず、他人を巻き込みたくもなくて、
私に構うなと他人を拒絶する。
それでも中には、事実は知らないけど彼女たちに歩みよりたいと願う人間もいて…。
私だったら傷つく結果になっても真実が知りたいと言っていたヒロインだけど、
最後に重すぎる衝撃的な真実を知ってしまい…。
血のエッセンスと病んだ愛、ダークで物悲しくも悩ましい情緒が漂う。
絵は線が荒削りなんだけど、人物の表情がすごく上手くてぐっと来る。
腐敗した日本の医療を改革する野心を秘めた女医が、
バチスタ論文を完成させるために、
強力な持ち駒となる天才的な臨床医師の朝田を手に入れて、
老獪な医師たち相手に権謀術数を繰り広げる迫力のあるストーリー。
しかし、全ての要素が一筋縄ではいかない。
特に自由奔放にプロフェッショナルな医師の道を貫く朝田の言動は痛快で圧倒される。
もうドキドキで、どうなっていくのかとにかく先が気になる漫画だった。
ドラマチックな熱いエンターテイメントで、
朝田のキャラはすごすぎてありえないんだけど、決して馬鹿な内容ではないです。
現実的ではないにしろ話のツボはいろいろ押さえてあるとは思うんだよね。
朝田が大学病院に来て、
責任を負いたくないと言う理由から医師たちに見捨てられた重症の患者を蘇らせて、
「俺の行為が許されないことだと言うなら、あんたがもう一度この患者を殺すのか?」
と問い掛けるシーンがある。それは簡単なことではないかもしれない。
けれども人間はその問いに簡単にNOと答えることはできないだろう。
彼のスタンスにはそういう輝きがある。
そして、医師の道に戻るなら、自分に嘘をつくつもりはないと、自分の道を行く…。
かっこいい!そのしわ寄せは全部加藤ちゃんに回ってきてしまい何とか策を巡らす。w
力がなくて現実に翻弄されて、綺麗事に生きる朝田を嫌う
凡人の伊集院と言うキャラも配置されていて。
けれども、伊集院は朝田とのそのやり取りの中で成長していく。凡人なりにね。
でも、展開に無理が出てきちゃったかなって感じで最近は読んでない。
二回目のドラマ化も何で今更…やめといた方がいいような…。
合わない方は回れ右がお勧め。
もうルサンチマンにすら縋りたいとは思わない。
自虐で笑いを取れるようになることが今の目標。
口汚い本音全開です。2の話とかも普通にしちゃってるし。w
よい子は真似しないように。
言いたいことを言ってしまってるけど、
私の言葉には何の力もありません。
ここにある文章を勝手に無断転載したりはしないでください。(まずいないとは思いますが。w)
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