これが私の本性。回れ右して帰るのがお勧めと思われます。www
鬱々したことばっか書いてるけど、
冷凍庫にチョコモナカを発見しただけで幸せになれる安い人間。掃き溜めブログ。
Posted by 暗黒思い出し笑い - 2007.10.20,Sat
10歳の少年ランディ。ある町のとある孤児院にいる。
英雄の伝説に憧れてチャンバラしているようなやんちゃな少年だった。
この世界は凶悪な魔物など不可思議な存在などもいるが、
人の世界は科学がめざましく成長し始め、人間はそれを武器にして力をつけて行った。
鉄と煙が世界に満ち、最初は他の生物から人を守る手段だったそれが、
いつしか逆に人の世界にまで争いをもたらすことになっていった…。
ランディのいる町は、そんなもののない目立たぬ小さな町だった。
そして…ある日そんな町に軍が攻めてきた。
追われているある国の要人がこの小さな町にこっそり逃げてきたのだ。
しかし、情報は漏れて、追っ手が迫り、この町は戦火の犠牲になった。
力のない小さな町はひとたまりもなかった…。人々は逃げ惑う。
ランディは孤児院を出て、ちょうど町中に用足しに来ていた。
傍にいた大人はおまえも早く自分の保護者たちと落ち合って逃げろと言った。
その時、孤児院の方角に空から何かが落ち光を放ち炎上した…。
ランディはそれを呆然と見て…それから孤児院の方に駆け出した。
孤児院に近づくほどに熱気が流れてくる。
肌の熱さを苦しく思いながら、それでも仲間たちの元へ近づいた。
建物はゴウゴウと燃え盛っていた…。その光景を見た少年の瞳が震えた。
庭に転がる小さな黒い死体はもはや誰のものだか分からない。
崩れ落る建物の隙間からの隙間から、もがいたように伸びた誰か手は、もはや動かない。
絶望的だった。少年は皆を呼んだ。「皆…誰か…。誰か生きてないのかよ!
ケント!ジル!ハンナ先生!!誰かあああ!!」
そこに一つだけ孤児院の外の遠くから少女の声が答えた。
「誰…?ランディなの…?」「ファリス!!」ランディはその少女に駆け寄った。
「急に何かが光って、それから真っ暗で何も見えないの…。皆…どこにいるの…?」
「おまえ…目が……。」
そこから少年は少女の手を引いて町の中を逃げた。
混乱した町の中で我先にと逃げる人々に時に揉まれる。
ひらすら悲しくて悔しくて涙が流れるが必死に歩を進めた。
少女と離さないように繋いだ手を強く握り締めた。
ファリスはそれが痛かったが何も言わなかった。少女にはその手だけが頼りだった。
「ちくしょう…ちくしょう…!」そう少年が悔しそうに呟く声が聞えてくる。
その姿は見えない。ただ悲しみが伝わってくるだけだった。
二人がいた場所に近い空から、何かが降り注いでくる。人から悲鳴があがった。
しかし、その降り注いだミサイルを他の方角から来た別の光弾が的確な軌道でそれを爆砕して相殺した。
そして、そこに一つの無骨な鉄機が素早く舞い降り市民を庇った。
その機体から声が振った。『この町に来襲したA軍を追うB組織の者だ。この町に味方する。
南西に逃げろ。C地帯まで進めば、そこに救助隊が来る。』低い男の声だった。
そして、そらからその鉄機は、すぐさま敵に向かい、
敵の攻撃をひらりひらりとかわしながらも、そのまま駆け抜け敵に攻撃をくわえた。
その軌跡の跡に敵機が次々と爆破されていく。
「すげえ…!!あの機体普通じゃねえぜ…!たった一機で一気に相手を圧していく。」
「間違いない…!あれはあのダルカスだ。この町に救世主が現れやがった…!」
それに引き続いて、友軍機が現れ、それに続いた。
ランディはそれから目が離せず逃げるのも忘れて立ち尽くしていた。
少年は夢に見た英雄の姿を正に今その目にしている。そして、町は壊滅せずに済んだ。
少年は、戦いが終わり兵器を片付け、そこから離れようとしたあの男の元に現れた。
そして、彼に言い放った。「俺をあんたの弟子にしてくれ…!」
男はそれを振り向き怪訝そうに一瞥した。切れ長の鋭い目をした無骨な男だった。
「俺の周りの人はほとんど死んじまったんだ!
あんたみたいな力があれば、皆の敵を討てるだろ!皆を守れるだろ!
俺はあんたみたいな凄い奴になりたいんだ!だから!!」必死な目だった。
男はその幼い子供を見やり静かに口を開いた。
「勘違いするな。俺は英雄や救世主ではない。ただの戦士だ。
俺に憧れを持つことなど愚かなことだ。」
「嘘だっ!あんたは町の人を守ったじゃないか!」少年は涙を流した。激しく言った。
「仕事だからだ。仮にそうだとしても、俺は正義や理想などを唱える気はない。
俺は金で人を殺す仕事をしているただの傭兵だ。
それが分からぬ子供が俺についてくる必要はない。
憎しみに捕らわれず頭を冷やして、身の丈に合った己の幸せを考えろ。
戦うことより、どうしたら逃げることができるのかを学ぶのだな。」
少年は、言葉に詰まり何も言い返せなかった。ただ何も…。
男はその場を去った。そして心中で思った。
少年の目が心に残った。(やれやれ…まさかあんな子供に出会うとは。
それだけ追い詰められた世界だと言うことか…。)
そして、少年は翌日、再びダルカスの前に現れた。
目立たぬ小さな宿に泊まっているのを一体どこで聞きつけたのか。
宿屋の主人はそ知らぬ顔でいるが。フロントにいたところを絡まれる。
「何故ここが分かった。」「町で暇人を捕まえてあんたのことを聞いてまわった。
酒場に行ったら、おっさんたちが祝杯で盛り上がってて、
ついでに特製の毒汁を最後まで飲み干せるかゲームをやってた。
俺もそこで賭けに乗って、全部飲んだ!しばらく目が回って上手く歩けなくなったけど。
そしたら、情報屋が笑っておまえに情報をやるって。」
男は話を聞いて頭が痛くなってきた。
その酔っ払い親父どもも他に今やることはなかったのだろうか。
「前に言ったことが分からなかったのか。おまえには無理だ。自惚れるな。」
「それでもあんたは俺と話してくれたじゃないか。
俺はガキだろうけど、あんたのことが知りたい。
あんたの知ってることを少しでも教えてほしいんだ!」
「俺は保父ではない。迷惑だ。保護者を失ったなら他に適した者を探せ。」
「金を払えばいいんだろ?ここにちょっとだけど、酒場で手に入れた金があるから。
後は出世払い!あんた人から大金は取らないんだろ。
聞いたんだ。あんたは表立って皆に何か言ったりしないけど、汚い仕事はしてないって。
前にあんたの言ったことの意味が分かったんだ。それでも…!」
なけなしの金を握り締めて言う。これだから子供は扱いに困ると思った。
「俺はおまえの甘えに付き合うつもりはない。
強さを求めるなら、それは自分の手で求めていくものだ。」
「何で……!あんたは強いのに何で人を助けてくれないんだよ!!
このまま何もできずに泣いてろって言うのかよっ!!」
「それをどうするかはお前次第だ。
おまえは俺に教わろうとする前に一人の人間として学ばなければならないことがまだまだあるだろう。
来るならそれをこなしてからこい。依頼に見合うだけの報酬を持ってな。」
そして、男は町から出て行った…。
そして、ランディは自分の思いは叶わない、自分の手はダルカスに届かない、
彼の言葉にそれを思い知り、ひたすらわあわあと泣いた…。
そして、それでも少年は去っていく男の背中から目を逸らせずに、育っていくのだった…。
後書きコメント
この話にはこの後に二つ続編エピソードが続く。
これはすごくつまんない話にしか書けなかったけど、
まず序章としてこれを書いておかないと、この先の話に発展しない。
ダルカスは今後も要所で登場し、話の核のキーになる存在。
ダルカスとランディの関係は、自分なりに力のある者とない者、大人と子供の対比として書いた。
ランディは自分なりの道を歩み、決してシリアスぶった人間には育たないのだが、
その根本にあるものはどこか泥臭く物悲しい。彼が見つめる先にはダルカスの姿がある。
英雄の伝説に憧れてチャンバラしているようなやんちゃな少年だった。
この世界は凶悪な魔物など不可思議な存在などもいるが、
人の世界は科学がめざましく成長し始め、人間はそれを武器にして力をつけて行った。
鉄と煙が世界に満ち、最初は他の生物から人を守る手段だったそれが、
いつしか逆に人の世界にまで争いをもたらすことになっていった…。
ランディのいる町は、そんなもののない目立たぬ小さな町だった。
そして…ある日そんな町に軍が攻めてきた。
追われているある国の要人がこの小さな町にこっそり逃げてきたのだ。
しかし、情報は漏れて、追っ手が迫り、この町は戦火の犠牲になった。
力のない小さな町はひとたまりもなかった…。人々は逃げ惑う。
ランディは孤児院を出て、ちょうど町中に用足しに来ていた。
傍にいた大人はおまえも早く自分の保護者たちと落ち合って逃げろと言った。
その時、孤児院の方角に空から何かが落ち光を放ち炎上した…。
ランディはそれを呆然と見て…それから孤児院の方に駆け出した。
孤児院に近づくほどに熱気が流れてくる。
肌の熱さを苦しく思いながら、それでも仲間たちの元へ近づいた。
建物はゴウゴウと燃え盛っていた…。その光景を見た少年の瞳が震えた。
庭に転がる小さな黒い死体はもはや誰のものだか分からない。
崩れ落る建物の隙間からの隙間から、もがいたように伸びた誰か手は、もはや動かない。
絶望的だった。少年は皆を呼んだ。「皆…誰か…。誰か生きてないのかよ!
ケント!ジル!ハンナ先生!!誰かあああ!!」
そこに一つだけ孤児院の外の遠くから少女の声が答えた。
「誰…?ランディなの…?」「ファリス!!」ランディはその少女に駆け寄った。
「急に何かが光って、それから真っ暗で何も見えないの…。皆…どこにいるの…?」
「おまえ…目が……。」
そこから少年は少女の手を引いて町の中を逃げた。
混乱した町の中で我先にと逃げる人々に時に揉まれる。
ひらすら悲しくて悔しくて涙が流れるが必死に歩を進めた。
少女と離さないように繋いだ手を強く握り締めた。
ファリスはそれが痛かったが何も言わなかった。少女にはその手だけが頼りだった。
「ちくしょう…ちくしょう…!」そう少年が悔しそうに呟く声が聞えてくる。
その姿は見えない。ただ悲しみが伝わってくるだけだった。
二人がいた場所に近い空から、何かが降り注いでくる。人から悲鳴があがった。
しかし、その降り注いだミサイルを他の方角から来た別の光弾が的確な軌道でそれを爆砕して相殺した。
そして、そこに一つの無骨な鉄機が素早く舞い降り市民を庇った。
その機体から声が振った。『この町に来襲したA軍を追うB組織の者だ。この町に味方する。
南西に逃げろ。C地帯まで進めば、そこに救助隊が来る。』低い男の声だった。
そして、そらからその鉄機は、すぐさま敵に向かい、
敵の攻撃をひらりひらりとかわしながらも、そのまま駆け抜け敵に攻撃をくわえた。
その軌跡の跡に敵機が次々と爆破されていく。
「すげえ…!!あの機体普通じゃねえぜ…!たった一機で一気に相手を圧していく。」
「間違いない…!あれはあのダルカスだ。この町に救世主が現れやがった…!」
それに引き続いて、友軍機が現れ、それに続いた。
ランディはそれから目が離せず逃げるのも忘れて立ち尽くしていた。
少年は夢に見た英雄の姿を正に今その目にしている。そして、町は壊滅せずに済んだ。
少年は、戦いが終わり兵器を片付け、そこから離れようとしたあの男の元に現れた。
そして、彼に言い放った。「俺をあんたの弟子にしてくれ…!」
男はそれを振り向き怪訝そうに一瞥した。切れ長の鋭い目をした無骨な男だった。
「俺の周りの人はほとんど死んじまったんだ!
あんたみたいな力があれば、皆の敵を討てるだろ!皆を守れるだろ!
俺はあんたみたいな凄い奴になりたいんだ!だから!!」必死な目だった。
男はその幼い子供を見やり静かに口を開いた。
「勘違いするな。俺は英雄や救世主ではない。ただの戦士だ。
俺に憧れを持つことなど愚かなことだ。」
「嘘だっ!あんたは町の人を守ったじゃないか!」少年は涙を流した。激しく言った。
「仕事だからだ。仮にそうだとしても、俺は正義や理想などを唱える気はない。
俺は金で人を殺す仕事をしているただの傭兵だ。
それが分からぬ子供が俺についてくる必要はない。
憎しみに捕らわれず頭を冷やして、身の丈に合った己の幸せを考えろ。
戦うことより、どうしたら逃げることができるのかを学ぶのだな。」
少年は、言葉に詰まり何も言い返せなかった。ただ何も…。
男はその場を去った。そして心中で思った。
少年の目が心に残った。(やれやれ…まさかあんな子供に出会うとは。
それだけ追い詰められた世界だと言うことか…。)
そして、少年は翌日、再びダルカスの前に現れた。
目立たぬ小さな宿に泊まっているのを一体どこで聞きつけたのか。
宿屋の主人はそ知らぬ顔でいるが。フロントにいたところを絡まれる。
「何故ここが分かった。」「町で暇人を捕まえてあんたのことを聞いてまわった。
酒場に行ったら、おっさんたちが祝杯で盛り上がってて、
ついでに特製の毒汁を最後まで飲み干せるかゲームをやってた。
俺もそこで賭けに乗って、全部飲んだ!しばらく目が回って上手く歩けなくなったけど。
そしたら、情報屋が笑っておまえに情報をやるって。」
男は話を聞いて頭が痛くなってきた。
その酔っ払い親父どもも他に今やることはなかったのだろうか。
「前に言ったことが分からなかったのか。おまえには無理だ。自惚れるな。」
「それでもあんたは俺と話してくれたじゃないか。
俺はガキだろうけど、あんたのことが知りたい。
あんたの知ってることを少しでも教えてほしいんだ!」
「俺は保父ではない。迷惑だ。保護者を失ったなら他に適した者を探せ。」
「金を払えばいいんだろ?ここにちょっとだけど、酒場で手に入れた金があるから。
後は出世払い!あんた人から大金は取らないんだろ。
聞いたんだ。あんたは表立って皆に何か言ったりしないけど、汚い仕事はしてないって。
前にあんたの言ったことの意味が分かったんだ。それでも…!」
なけなしの金を握り締めて言う。これだから子供は扱いに困ると思った。
「俺はおまえの甘えに付き合うつもりはない。
強さを求めるなら、それは自分の手で求めていくものだ。」
「何で……!あんたは強いのに何で人を助けてくれないんだよ!!
このまま何もできずに泣いてろって言うのかよっ!!」
「それをどうするかはお前次第だ。
おまえは俺に教わろうとする前に一人の人間として学ばなければならないことがまだまだあるだろう。
来るならそれをこなしてからこい。依頼に見合うだけの報酬を持ってな。」
そして、男は町から出て行った…。
そして、ランディは自分の思いは叶わない、自分の手はダルカスに届かない、
彼の言葉にそれを思い知り、ひたすらわあわあと泣いた…。
そして、それでも少年は去っていく男の背中から目を逸らせずに、育っていくのだった…。
後書きコメント
この話にはこの後に二つ続編エピソードが続く。
これはすごくつまんない話にしか書けなかったけど、
まず序章としてこれを書いておかないと、この先の話に発展しない。
ダルカスは今後も要所で登場し、話の核のキーになる存在。
ダルカスとランディの関係は、自分なりに力のある者とない者、大人と子供の対比として書いた。
ランディは自分なりの道を歩み、決してシリアスぶった人間には育たないのだが、
その根本にあるものはどこか泥臭く物悲しい。彼が見つめる先にはダルカスの姿がある。
PR
カレンダー
フリーエリア
Powered by SHINOBI.JP
最新コメント
最新記事
最新トラックバック
プロフィール
HN:
暗黒思い出し笑い
年齢:
25
性別:
非公開
誕生日:
1999/12/25
職業:
妄想族
趣味:
妄想を綴るだけの人生
自己紹介:
私を嫌いだと言う人は多い。
合わない方は回れ右がお勧め。
もうルサンチマンにすら縋りたいとは思わない。
自虐で笑いを取れるようになることが今の目標。
口汚い本音全開です。2の話とかも普通にしちゃってるし。w
よい子は真似しないように。
言いたいことを言ってしまってるけど、
私の言葉には何の力もありません。
ここにある文章を勝手に無断転載したりはしないでください。(まずいないとは思いますが。w)
合わない方は回れ右がお勧め。
もうルサンチマンにすら縋りたいとは思わない。
自虐で笑いを取れるようになることが今の目標。
口汚い本音全開です。2の話とかも普通にしちゃってるし。w
よい子は真似しないように。
言いたいことを言ってしまってるけど、
私の言葉には何の力もありません。
ここにある文章を勝手に無断転載したりはしないでください。(まずいないとは思いますが。w)
ブログ内検索
カウンター
Template by mavericyard*
Powered by "Samurai Factory"
Powered by "Samurai Factory"